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☆へっぽこノベリストの部屋☆

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第八章 傷

鈴瑠。お前は、俺に幽を出会わせたのか。

幽は、お前の生まれ変わりなのか。

俺は、それを信じれない。


第八章 傷

雫は、月を見上げる。
「鈴瑠・・・」
そう、この場所。この隅の一角の、小さな墓、それが鈴瑠の墓。

「アイツは、俺をかばって死んでいった。」
雫はつぶやいてみる。心が、ずきん、と痛んだ。

それが、

雫の心の傷。

モンスターハント時代には、なかった、心の傷。
今はくっきりと、雫の心のおく底に、隠れるようにしてしまってある、

     心の古傷。



「鈴瑠・・・」
雫の目から、涙が、一粒、零れ落ちる。

それは、1年前の出来事。
自分が、まだ、「生きて」いたころ。

鈴瑠と雫は、モンスターハントをやっていたころ。
そのころ、巨大なカマキリにとらわれた雫を助けようとして、

死んでいった、鈴瑠。


「た、すけて・・・」
か細い声。
角がくるっとまいてあり、薄黄色の月の光、そんな光を発する小さな手。

「私、バグなの・・・」

そんな声が、聞こえてくるようだった。


ざく、と土を踏む音が聞こえた。
「みつけたぁ!」

幽が、セントミラノス霊園の入り口に立っていた。
そんな幽を、雫は手招きする。

「ちょっと、こい。」
「なによ!そんなこといって、またのっとるつもり?」
雫は苦笑して、幽のほうを向く。


「ちげーよ。話があるんだ。」




「何の話?」


「大事な、大事な話だ。」


幽は雫の横に寄り添うようにして座り込むと、促した。


「ね、話して。」



雫は、自分の思い出を、ポツリ、ポツリと幽に語り始めた・・・


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